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オクテック ガレージ ガレージ日記
「研磨工具のイチグチ」と錆びたステンレス製マフラー磨き
近所のホームセンターといえばコーナン. 買い物に行くたびにあてもなく工具コーナーを彷徨います.
最近は工具コーナーを独立させて,メーカーやジャンルでブースを作り「より専門チック」な売り場にしてたりします.
研磨関係のブースで何気なく目にとまった小さな液晶テレビ.「磨き」の実演DVDビデオがやっていた.
バイク用のリフトの錆が酷くて何とかしたいとずっと思っていただけにちょっと気になった.
今回はそんな実演DVDでみた研磨工具のお話.
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何日かしてまた研磨工具のブースに立ち寄る.
前回同様,実演DVDがやっていた.
メーカーは「株式会社イチグチ」というところ.表舞台に出ないジャンルの工具なので名前を聞いてもピンとこなかった.
ステンレスの磨きから刃物研ぎ,木目の艶出しまで多彩な内容のDVD. 工具の使い方を教わる機会など,
そう多くないので大切な情報源. せっかく情報を与えてくれたメーカーさんなので使って見ようかと思い前回よりも
真剣に見入る.
研磨工具は磨くモノの材質や仕上げ方によって,種類,粒度が違うため,数十種類が商品が並んでいる.
実演でやっている研磨工具を買おうと思うが解説が早すぎるのと聞きなれない商品名で覚えきれない.
実演DVDの所用時間は5分?程度. 繰り返し再生しているので聞き漏らすと次が再生されるのまで待つしかない.
気になるだけに,がんばって何度も見る.
結局把握しきれず,とりあえずアルミの磨きとモルタル磨き,金属の錆取り用に3種類買って帰った.
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アルミで作る工作物の多くは,会社から払い下げられた廃材を使用することが多く,表面は酸化し傷もいっぱい
付いていたりします. 強度や安心感が必要な箇所には素性が分らない廃材などは使えませんが,一般的な
工作物には十分に活用できると思っています.
使うためには痛んでいる表面を磨かないといけないのですが,素材へのアタックが強すぎる研磨材では表面が
ボコボコになるので最近は上記の「クロスサンダー」をよく使っています.
バイクに犬の寅次郎を乗せるための犬小屋(通称:寅小屋)
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大物で時間もなかったの軽く磨いただけなので研磨跡が残っていますが,廃材のみすぼらしさは無くなっていると 思います. |
トラ母(嫁さん)の刀号(スズキ1100刀)のバッテリーケース.
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乗る機会が少ないためか開放型のバッテリーでは持ちが悪いのでMFバッテリーに変更. バッテリーの外形寸法が違うのでアルミで製作. これも廃材を磨いて再利用したモノ. ちょっと頑張って作ったので溶接後に少しだけバフで磨いています. |
その後,またホームセンターの工具コーナーに行くと,こんなのがありました.
金属鏡面仕上げセット
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単品で揃える半値で買えるお値段.喜んで買って帰りました.
中にこんな取扱説明書が入っていました.
さて磨くモノは・・・・
ZZ−R1100用の中古のステンレス製マフラー.
これまで「カローラ号」と呼んでいたカワサキの空冷のGPz1100は少し休眠に入り,
現在は少し進化した「新カローラ号」に世代交代.
元から付いていた左出しマフラーが嫌だったので,オークションで中古の右だしマフラーを買っていました.
ただ安かっただけあって,見た目がチト悪い. なのでそれを磨くことにしました.
実験材料
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ステンレスは表面が緻密な不動態皮膜で覆われているため錆に強い金属ですが,手曲げマフラーのように バーナーの炎で炙って曲げるため金属組織が変質し,その結果腐食が生じます. |
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最初はどのくらい磨かれるのか 分らなかったので取扱説明書の 「STEP4」にある「デライトディスク(#400)」を 取り付けてみました. 余談ですがこのグラインダー, 表示がないですがボッシュ製です. 湘南で研磨屋さんをしている 「にゃんぞうさん」から,ずっと前に 頂いたグラインダーです. 回転数の調整ができ,定格時間が連続定格 (普通の国産は30分定格)の耐久性の高い グランダーです. ありがたく使わせていただいています. にゃんぞうさん(猫蔵さん)のブログ 猫板(掲示板) |
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写真下側のような軽い錆なら簡単に 磨けますが写真の上の方の酷い錆は これでは落としきれません. 説明書を見て一つ粗い「STEP3」の 「スコーライトディスクM(#180)」に 付け替えてみます. |
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「スコーライトディスクM(#180)」で磨いて みました. ピンホール状の深い傷は取りきることが できませんが,手曲げマフラーで割と深めな 腐食までは消すことができます. 仕上がりは写真のような研磨傷が残ります. |
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試しに取扱説明書の「STEP2]の 「テクノディスクA(#120)」で磨いてみましたが, 当りが強くかなり表面を削ってしまいます. 感覚的に言うと「もろ金属を削っているな」と 思える感じで,一回轢くごとに0.1mm程度 削っているみたいです. ピンホール状の傷(腐食)を消すことは出来ますが, ラフに扱うと必要以上に削ってしまいます. できれば「テクノディスクA(#120)と「スコーライト ディスクM(#180)」の中間が欲しいとこです. |
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「テクノディスクA(#120)」では当りが強すぎで 削れてしまい,「スコーライトディスク(#180)」 では研磨力が弱めに感じたので,再びホーム センターに行って,その中間あたりの研磨工具を 探してみました. ブースにカタログや資料がないのが不便です. (メーカーさん,是非置いて下さい) 研磨材の「作り」を見て「ラジアルホイル (#100)」を選んでみました. 使った印象は 当りはソフトですが少し深い研磨痕が 残るようです. スコーライトディスクの粒度の粗いモノが あればいいのですが売り場には見当たり ませんでした. ラインナップがあるのかもしれませんが カタログがないので分りません. |
研磨材を比較してみました.
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研磨ペーパーのみ |
研磨ペーパーのみだが |
研磨ペーパーと研磨パッド |
研磨パッド(3Mの7448?) のみ |
(注記.研磨パッドは俗に言うナイロンたわしのようなモノ.3Mのスコッチブライトがよく知られている製品) |
必要な研磨力や研磨性を得るために研磨材を上手く組み合わてあります.
仕上がりは・・・・
最初に磨いたモノ.ヘタッピなので少し研磨傷が残ってしまいました.
二回目に磨いたモノなので少し仕上がりがよくなっています.
マメな人が丁寧にやれば磨き傷も残らず仕上げられると思われます.
ブツブツ状の腐食が残っていますが,始めに「ラジアルホイル(#100)」など磨けば消えてくれると思います.
使ってみた感想 被研磨物の材質や仕上げに合わせて多種多彩なラインナップが揃っているのは非常に良い事だと思います. 削れ過ぎることなく削れるのは研磨材の上手な組み合わせの賜物だと思います.特に曲面への当りの弱さと 研磨力のバランスはうまく取れていると思います. |
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ただ,残念なのがそれをユーザーが選びきれていない ことです. そもそも研磨などしたことのないホームセンターの店員に 的確な答えが出来るわけなく,資料もカタログもない売り場で 数十種類の商品から選ぶことはのは無理な話です. 今回はお試しセットに気付いたので使ってみることが できましたが,これがなければ使わなかったかも しれません. 目的別の選定表と研磨力の比較表.せめてお試しセットに あった「取扱説明書」だけでも売り場にあればと思います. 単価は700円〜1000円程度.今後の商品改良で 寿命が今の1.5倍〜2倍にでもなればと願うところです. それとクロスサンダーは形状がフラットなためグラインダーの 軸が被研磨物に接触しがちです. 是非オフセットさせた専用パッドもラインナップに追加して いただきたいです. |
![]() 使用後 |
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個人的な視点からいろいろと勝手なことを書きましたが,これから錆びたステンレスマフラーを磨がこうと 思っている方の一助となれば幸いです.何を使ったらいいのか迷っておられるならお試しください. 株式会社イチグチ様 一ユーザーとして書かせていただきました.記述内容には十分配慮したつもりですが適当でない表現がありましたら お許しください. また訂正,修正依頼などございましたら御連絡を宜しくお願いします. 非常に優秀な研磨工具でした. |
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