三次元精密測定技術
先日,熊本のポリテクセンター(職業能力開発促進センター)の三次元精密測定技術と言うセミナーを受講した.
会社からの出張だったが,セミナーの内容をある程度自由に選択できたのでこのセミナーを選んだ.

三次元測定器(CMM:Coordinete Measuring Machine)
直尺定規やノギス,マイクロメータは単にワーク(工作物などの物体)の長さが測定できるだけだが,三次元測定器を使うと平面的な二次元の測定に加え高さ方向,すなわち三次元の測定ができ,その精度も約1/1000mmと高精度で測定ができる.
また,平面度(面のうねり)や真円度,真球度(円,球の形状がどれほど正確な形状をしているか)が計測できたり,ドリルなどで穴を明けた物の穴の中心(穴があいているので実際には中心には何も無いのだが)を測定したり,それが平面とどれだけ平行かなどが測定できる.

そんなセミナーを受講した時のお話しです.

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今回お世話になったポリテクセンター熊本.

ポリテクセンターとは?
雇用・能力開発機構熊本センターでは、雇用機会の創出や魅力ある職場作りを支援するための「雇用開発」並びに、勤労者や求職者の方々の職業能力の開発及び向上を図るための「能力開発」に関する総合的なサービスを行っています。」
          (ポリテクセンター熊本のHPから抜粋)

主に求職者や従事者の技術レベルを向上させ,雇用促進,能力の向上を目的とする機構・・・・,要するに職業訓練学校です.
時間があったので機械加工の実習室を覗いてみた.

ココは汎用フライス盤を用いた実習教室.
一流どころと唄われている「牧野フライス製作所」のマシンがズラリとならんでいる.

フライス盤を製造する(していた)メーカーは沢山あるが,「牧野ファン」と称するものがあるのはこのメーカーだけ.

加工屋さんに牧野のフライス盤があるだけで,その会社(店)のレベルが高いと言われることがあったほど.

当然価格は高いが精度を長期間維持できるよう,こだわった作りとなっている.中古市場でも高値安定.

私には「MAKINO」の文字が誇らしげに見える.
こちらは汎用旋盤の実習室

滝沢や大隈のが多い中,我が家の旋盤と同じ森精機の
旋盤も一台だけあった.
その他,NC旋盤(左),マシニングセンター(中),ワイヤーカット放電加工機(右)などNC機もご覧の通り.

これらはCAD-CAMのセミナーで使用しているらしい.
CAD-CAMって詳しくは知らないけど,CADで製図したものを実際に加工するためにシミュレーションしたり加工機の言語に変換(CAM)することらしい.
ワイヤーカット放電加工機で加工したサンプル.

UCCコーヒーのロゴの他,五重塔も見えるかな.
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これが,その三次元測定器(ミツトヨ製).

ミツトヨの信頼性は高く世界のミツトヨと呼ばれるほど.
ブラウン色のアクリルで出来たワーク(測定物)を測定しているところ.(ワークは赤いクランプで固定してある)

赤い矢印が測定プローブ(測定子).

プローブを移動させワークと接触させると,プローブの座標から測定結果が演算算出される.

マニュアル測定の場合はジョイスティックでプローブを移動させるのだが,慣れないとすぐにワークにぶつけてしまう.
セミナーの風景

この日の受講者は4名で,二人が離職者,私と立って操作している人(女性)が在職者だった.

右端の立っている方が講師で,時折雑談もしたりと,結構和気あいあいとしたセミナーだった.(ちなみに4日間コース)
今回のセミナーは,会社で必要だからと言うよりも,どちらかと言えば個人的な興味といった方が正しいかな.

私のような素人工作で実際にこんな測定をすることは無いけど,知識があるのと無いのでは,工作に対する広がりも

変わってくると思う.

特にプライベータ-は周囲や環境から知識を得るには限界があり,どうしても我流,自己流になりがちになるので

技術力を向上させるのためには,こういったセミナーなど「外の情報」に触れることは大切だと思う.
ピカチューやドラエモンもワイヤーカット放電加工機で製作したのモノ.
ポリテクセンター熊本 セミナー受講