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カワサキ空冷GPz1100のオイルパン修理(ドレイン位置変更)と
                   油温計センサーのフィッティング追加


我が家のGPz1100(空冷)は’84年式のA2モデルで,登録から既に20年が経過している.
いくらZのエンジンが丈夫だといっても20年も経つとあちこち不具合がでてくるもので,特にエンジンは熱が入る分,
他の部品より素材の劣化が激しい.カムシャフトホルダー部の雌ネジ(シリンダーヘッド側)なんて,まともな状態で
残っている空冷Zのエンジンがこの世に何台残っている事やら.

今回のお話はそんな空冷Zのエンジンのオイルパンのドレンボルトのネジ山修理と,ついでなのでちょっと使いやすく
モディファイしたお話しです.

ちなみに,このネタは大阪にいた時の取り置きネタなんです.ごめんなさい


今回のお話のネタになった,空冷GPz1100の
オイルパン.

第二世代と呼ばれるJ系エンジンでもZ1000JやR
とGPzは少し異なり,オイルプレッシャースイッチが
付かない代わりに油面高さを見るようになっており,
そのセンサーがオイルパンに付くようになっています.
(写真右付近)


すっかり,ネジ山がなくなってしまった雌ネジ.

普通ならヘリサートを入れて修理するんですが,
ついでなんでちょっとイジってやります.


何をするにも先ず剥離ということで,剥離剤を
使って古い塗膜を剥がします.


今回のモディファイの内容ですが,ドレインが
オイルパンの中央付近にあるため,集合管を
付けてるとオイルを抜く時にどうしてもマフラーが
邪魔になってしまうので,ドレインボルトの位置
を変更してやります.

ついでなんで油温計のセンサー用にフィッティング
ネジを追加します.
(この後,溶接と塗装を行なうため,サンドブラスト
で表面処理を行っています.)


アルミ(52S)の丸棒を旋盤で加工して新しい
ネジ部を作ります.

ネジのサイズはM12×P1.25


新しいドレインの位置はオイルストレーナーの
直下,サイドスタンドを掛けたときに最低部に
なる位置に持ってきています.


こちらは油温計のセンサー用.


お見せできるほど美しくない溶接のビードですが,
一般に鋳物を溶接すると不純物が湧いてくるため,
どうしてもビートが汚くなりがちです.言い換えれば
鋳物も美しく溶接できる人はかなりのテクニシャン
だと言えます.


ノーマルのドレインは裏側から溶接して埋めて
しまいます.


仕上げの塗装ですが,耐熱塗料を塗るのですが,
純正色のように少し艶があって,ガソリンなどの
溶剤に強い塗料は少なく,色々さがして見つけた
のがコレ.

オキツモ製の耐熱塗料で「トップヒート」という商品
名で,従来のものより耐熱温度を下げて耐油性と
耐ガソリン性を向上させたモノとのことです.

耐ガソリン性はまだ試していないけど,艶々し過ぎ
ず良い感じです.

(販売元は大阪のバイクショップ「エリア」さん)


耐熱塗料の性能を十分に引き出すためにガス
コンロ(焼肉用の火口が広いタイプ)で強制乾燥
します.

エリアさんの説明ではエンジンの熱でも十分乾燥
できるとの事だったが,やはり十分乾燥させた
ほうが塗膜の硬度や付着性は良好でした.

(一般的に耐熱塗料は常温乾燥より高温で乾燥
させたほうが良いと言われている.)


出来上がりはこんな感じ.



これでマフラーが邪魔せずオイルを抜く事ができるようになりました.

でも,オイルフィルターを交換する時はマフラーを外さないとダメなん
ですよね〜.マフラーの方も何とかしたいなあ〜.




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