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カワサキZZ-R1100D6がやってきた編(今はもう無いけど)

2008年3月から2010年10月まで乗ったZZ-R1100.
一度もHPに記事を書かないまま手放したので当時を思い出し少し書いてみることにしました.


8年ほど前,北海道ツーリング中に旅仲間が乗るZZ-R1100に少し乗させてもらいました.

当時「戦闘機マシン」と呼ばたそれは,予想に反し下からトルクがあり非常に乗り易いエンジンで,
その上燃費が20km/Lも伸びるということを聞き,技術の進歩を感じされされたものでした.


それまで乗っていた空冷GPz1100はZ系エンジンの中で最強と呼ばれたパワーユニットを持つマシンで,相応の
パワーとZ1やローソンレプリカほどオリジナリティにこだわる必要のないバイクだったので,FRPでカウルを
作ったり足回りをいじったりと,沢山楽しませてくれるマシンでした.

ただ,もう少しの燃費ともう少しの低速トルクの願望に対しては時代の壁が大きく,旅先で給油する度に心に引っかかるものがありました.


「10年一区切り」
GPz1100と10年を過ごし,少し新しいバイクにも乗ってみたくなり6年の歳月を経てZZ-R1100に乗ることにしました.





購入後初めてのお出かけです.

まだ寅次郎(犬)を載せる装備品を製作して
いなかったので寅次郎は登山用のリュックに
入れられてお出かけです.


どんなバイクライフになるのか楽しみが
広がったひと時でした.



車両はインターネット・オークションの個人出品を購入.
気心知れたバイク屋さんに出物(でもの)があればいいですが,中古品は出会いと同じ.そう都合よくある訳が
ありません.見知らぬバイク屋から買うよりも個人所有物を譲ってもらった方が良いと私は思います.

程度の良いものでしたが先ずは基本整備です.
中古品を買うと何だか整備したい気分になるので今のうちに気合を入れて整備します.



サービスマニュアル

整備といえばサービスマニュアル.

インターネットで5880円で購入.

写真が焼き直しのようなクオリティにびっくり
しましたが純正との事でした.



整備最中に見るのでどうしてもマニュアルは
汚れてしまいがち.

なので裁断して全てクリアファイルに入れます.


汚いおっさんは嫌われるので身の回りも
小奇麗にするようにしなくてはと思っとります.



オイルとエレメント交換

このエンジンにはドレインが最下部とやや
前方の二箇所にあります.

一般ユーザーだけでなくカワサキの店でも
片側からしか抜かない方がおられるみたい
です.

前方のドレインからも意外と抜けるので
私は両方から抜くようにしていました.



綺麗に掃除をしてエレメントの他,Oリング類も
交換します.

奥に見えているのが予備のOリング.
これは空冷GPz1100から共通です.



部品の順番は至って単純ですが必ず
マニュアルを見て間違いが無いかを確認
するようにしています.

(オッサンの凡ミス対策です.)



エアエレメント交換

灯油で洗浄して再使用できるタイプです.



手が汚れないようにビニル袋にフィルターと
灯油を入れて優しくもみ洗いします.


残念ながらこいつは寿命のようでボロボロに
なりました.


新品と交換です.取り付けには表裏がある
ので注意が必要です.

サービスマニュアルの写真が白黒写真
なのでこれが正しい向きか断言できない
ですが黄色い側が毛羽立った素材で目が
粗いので外気側と思われます.

使用にあたっては#30のオイルを塗布
します.
塗布量ですが直接オイルを染み込ませて
拭い取っても多すぎて,時間と共に余分な
オイルが下がってきて場合によっては
ドレインからポタポタ落ちてきます.

サービスマニュアルには「布にオイルを
染み込ませて押し付けて塗布する」と
なっていますので,その程度の塗布量です.

スパークプラグ交換

インターネットで価格を調べると高価な
イリジウムプラグもノーマル品とさほど
変わらない価格だったのでイリジウムプラグに
してみました.


イリジウムプラグはよくないとの意見も
有るようですが,至って普通です.


新品プラグによるものかイリジウムプラグの
お陰かは分かりませんが, アイドリング時に
回転数がふらついていたのがなくなりました.



バッテリー交換

安価な輸入バッテリーが積んであったの
ですがすぐにダメになり,GPz1100用にと
2006年9月に中古で買っていたバッテリーを
搭載することにしました.


何年も置いていたものでしたが充電すると
立派に復活してくれ,(嫁いだ先で)2011年
4月現在も立派に働いてくれています.

アジア系のバッテリーが安価で売られて
いますが私は同じ値段の国産の
中古バッテリーをおすすめします.



容量が大きい(12Ah→16Ah)ため外形も大きく
そのままではシート下の収まりません.

かさ上げするための敷き板をアルミで製作.



タンク後端の取り付け部(シート前方の
差込部)とライダー直下のシート部,
タンデム下(シートロック部)に敷き板を
敷きます.


かさ上げによるタンクの隙間です.
シートも同様に1センチほどあがります.

注記
大きなバッテリーを積むことによる充電系などの不具合は顕在化しませんでしたが,顕在化しなかった
だけのことなのかもしれませんのでご注意下さい.
あくまで手持ちに容量「16」のバッテリーがあったので使っただけですので,良識ある皆さんは決して
真似せず純正指定のサイズのバッテリーを積みましょう.

まねして「電気系に不具合が起きた」とか「バイクが燃えたけどどうしてくれる」なんてことを言われても
責任を負いませんのでご承知おき下さい.
(最近はこんなことを書かないと突いてくる一部の人達がいます,悲しいことです)




燃料ホース交換

燃料ホースの経年劣化によるひび割れがよく
検索で引っかかったので交換しておきました.


燃料ポンプでガソリンを供給しているため
ホースも沢山必要になります.

注文が楽なようにとキットとして販売されて
います.

「燃料ホースキット :99999-0075」

ホースを始め,燃料フィルターやクランプ
まで一式入っています.

 



沢山の部品が入っているので念のため
検品したらクランプが2個不足していました.

個数「3」に対して数量「1」.

こんなこともあるんですね.



ダウンドラフトのキャブレターのため
タンク底部はキャブレターより低い
位置にくるため燃料ポンプで
ガソリンを強制的に送っています.

そのためバイパスラインが必要で
タンクの裏側には通常よりホースの
数が多くなっています.



タンクから燃料フィルター,ポンプ,
キャブレターまでのホースが全て新品に
なります.



持病
インターネットで検索してみるとZZ-R1100のウイークポイントが色々と書かれていましたので併せてチェックしてみました.



凹むフレーム

フレームにあるアンダーカウルの固定ネジ部が
位置と取り付けネジのお陰で立ちごけだけでも
凹んでしまいます.


走行への支障は無いようですが凹んだフレームは
間違いなく心を凹してくれます.


購入する際にこれだけは事前に確認しました.




緩むスタンド

裏側からボルト2本で取り付けられているのですが
いつしかボルトが緩んでグラグラになってしまいます.



取り付けボルトがコレです.

メーカー組み立て時にもネジロックされている
ようですが,私のZZ-R1100もゆるんでいました.


レンチが入りにくい奥まったところにあるので
ゆるめるにも締めるにも苦労します.

整備し泣かせの構造です.

Z-1のような整備性の良いバイクを作った
カワサキも今は昔なのでしょうか.



古いネジロックをタップとダイスで除去して
再度ネジロックを塗布して取り付けます.




チェンジシャフトからのオイル漏れ


これも有名な持病.



原因を考えてみました.


オイルシールの材質の問題かとも思いましたが
このロケーションによるものではないかと
思います.


通常チェンジシャフトはスプロケットカバーの
ホール(貫通穴)によって隔離されていますが,
ZZ-R1100は露出していてなおかつ真上に
ドライブチェーンがあります.

チェーンの油汚れ(砂塵)がシャフトに付着し
オイルシールを劣化させているのでないかと
思われます.



オイルシールを交換しても対策を打たないと
いつかまたシールがやられるので対策部品を
作ることにしました.


空箱を切り刻んで厚紙でモデルを作ります.



型紙を元に厚さ2mmのアルミ板で製作します.



チェンジシャフトに油で汚れたゴミが降ってきても
付着しないようにするための「ひさし」です.


下から見上げると「ひさし」になっているのが分かって
いただけるかと思います.

奥のクランクケース側に密着して隙間が出来ない
ようにしています.



ZZ-R1100を買った当初はこんな小物を作るのが
楽しくて仕方ありませんでした.



チェンジシャフトのオイルシール抜き治具


チェンジシャフトのオイルシールを交換するのに
ネットで検索するとエンジンを分解しないで
ピックアップツールなどを使ってホジリ取ると
ありました.

簡単に書いていましたがシャフトを傷つけそうで
私には無理です.


そこで抜き取り工具を作ってみました.

詳しくは工作の部屋ででも紹介したいと思います.



その他



充電用ターミナル



普段あまり乗ることがないので簡単に補充電が
できるようにと充電用ターミナルを付けてみました.


ターミナルはAC電源用のものを流用していますが
プラス,マイナスが逆に差せないタイプを使用して
います.


パネルはt=2mmのアルミで製作.
ターミナルが収まればいいので外形は自由,なので
あまり不細工にならないように外形を考えて作りました.



ヒューズを間に入れて引き出してはいるものの
末端処理がお粗末だとショートの原因になるので
丁寧に配線します.


美しい車両を見ると末端処理まで行き届いて
いるので,私もそうでありたいと心がけています.



テプラで表示するとそれっぽくなって,モチベーションが
上がったりします.


オッサンのささやかな楽しみです.



シートを外すとアクセスできる位置に取り付けて
います.





購入した当初はバイクにも乗らずにこんなことを二ヶ月ほどしていました.
お次は寅次郎を乗せて旅するためのアイテム作りについて書いてみたいと思います.

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