足すことはできても引くことのできない
CDプレーヤーの修理のお話 その2
「足すことはできても引くことのできないCDプレーヤーの修理のお話 その1」の続きです.
分解して何が悪いのかを考える. |
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見た目では分からなかったがノギスで |
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微調整のため,何度も付け直しを繰り |
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プラリペア自身は強度があるのでピン そのものを根元から作り直すことにした. 型が必要になるので適当なアルミ板を 利用する. アルミ板の穴がピンと同じ直径になっている. |
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二枚のアルミ板は隙間に差し込んで |
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穴用のアルミ板を所定の位置にセットし |
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プラリペアはアルミには接着しない. |
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ピンの部分がアルミ板から上手く剥離せず もげてしまった. 考えが甘かった. |
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失敗から今度は二枚のアルミ板を 突き合わせた部分にピン用の穴を あけ,ピンの中央で分離できる 型に変更した. |
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今度は上手く分離が出来た. |
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ケースの底蓋と組み立てた際に干渉しない |
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CD側の蓋と組み合わせてスムーズに |
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全ての部品を組み付け,開閉状態を確認 |
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上手く接着できずにポロっと取れて |
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この欠片も大切なものなので,ケースの |
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「OPEN」ボタンを押すとパッと開いてくれるようになった.
これで私の役目は終わりである.
思いの詰まったCDプレーヤーの修理.
壊してしまった悲しみを取り除いてあげるには, 壊したことさえ忘れてしまうように復元・再生させる
必要がある.そのためには外観だけでなく,そこに宿る気持ちの部分も心に留めて作業する事が
大切だと思いました.
ボタンを押せば蓋が開いて,CDをセットすれば音楽を聴くことができる.
壊した悲しみを忘れ,お母さんが病床で聞いていたこのCDプレーヤーを同じように聴いてお母さんを
思い出してもらえれば幸いです.
このお話の始まりは
「足すことはできても引くことのできないCDプレーヤーの修理のお話 その1」です.