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足すことはできても引くことのできない
          CDプレーヤーの修理のお話 その2


「足すことはできても引くことのできないCDプレーヤーの修理のお話 その1」の続きです.


分解して何が悪いのかを考える.

見た目では分からなかったがノギスで
測定すると若干厚いのが分かった.


コンマ数ミリの違いが開け閉めの具合に
効いてくる.

微調整のため,何度も付け直しを繰り
返すうちに,先ほどプラリペアで接着
した中蓋のピンの部分が取れてしまった.





同じ方法で接着しても結果は同じなので
方法を考える.

プラリペア自身は強度があるのでピン
そのものを根元から作り直すことにした.


型が必要になるので適当なアルミ板を
利用する.

アルミ板の穴がピンと同じ直径になっている.

二枚のアルミ板は隙間に差し込んで
固定するためにクサビ状に削っている.

穴用のアルミ板を所定の位置にセットし
固定用のアルミ板を押し込んで固定する.


プラリペアを穴の中と周囲にまぶして溶剤を
注入する.

プラリペアはアルミには接着しない.

乾燥後にアルミ板を外せばピンの部分が
出来ている?はず?だったが・・・・・・.

ピンの部分がアルミ板から上手く剥離せず
もげてしまった.



考えが甘かった.
失敗から今度は二枚のアルミ板を
突き合わせた部分にピン用の穴を
あけ,ピンの中央で分離できる
型に変更した.

今度は上手く分離が出来た.

ケースの底蓋と組み立てた際に干渉しない
ように不要な部分を削っていく.

CD側の蓋と組み合わせてスムーズに
開閉出来るように何度も何度も様子を
見ながら削り込んでいく.


この組み立て,分解の繰り返しは
ピン部分の接着強度の確認にもなって
くれる.


こんな作業で取れてしまうようでは
安心して返すことは出来ない.

全ての部品を組み付け,開閉状態を確認
する.

また,ケース同士の合わせ状態,外観の
ディテールを仕上げる.


同色のラッカー塗料を刷毛塗りして完成である.

上手く接着できずにポロっと取れて
しまった中蓋の蝶番のピンの部分.

この欠片も大切なものなので,ケースの
邪魔にならないところに接着しておいた.






「OPEN」ボタンを押すとパッと開いてくれるようになった.
これで私の役目は終わりである.





思いの詰まったCDプレーヤーの修理.

壊してしまった悲しみを取り除いてあげるには, 壊したことさえ忘れてしまうように復元・再生させる
必要がある.そのためには外観だけでなく,そこに宿る気持ちの部分も心に留めて作業する事が
大切だと思いました.


ボタンを押せば蓋が開いて,CDをセットすれば音楽を聴くことができる.
壊した悲しみを忘れ,お母さんが病床で聞いていたこのCDプレーヤーを同じように聴いてお母さんを
思い出してもらえれば幸いです.





このお話の始まりは

「足すことはできても引くことのできないCDプレーヤーの修理のお話 その1」です.





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