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カワサキZZ-R1100D6の
ツーリング用キャリア製作のお話 前編
我が家には雑種の犬がいます.名前は寅次郎.映画「男はつらいよ」のふうてんの寅さんから頂いた名前です.
家族なのでツーリングも一緒に行きます.
タンクバックや胸元に入るほど小さければいいですが体重は17Kgの立派な中型犬.
そんな寅次郎を乗せて旅するためにZZ-R1100用に製作したキャリア製作のお話です.
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キャリアの製作で一番悩むのが車体のどこに 固定するかです. 出来ればあまり車体側に加工を施したく ないので,どこでかに固定するポイントが 無いかをよく考えます. 大切な家族を乗せるのですから,丈夫でかつ, 使い勝手を考えて検討します. |
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ZZ-R1100Dのテールカウルにはしっかりした テールグリップ(タンデム用グリップ)が あるのでこれと,タンデムステップを利用します. |
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アルミ製のタンデムグリップなので肉厚のある 部分にネジを設けてこれをベースにキャリアを 固定します. 地面に平行になるように,かつ腰高にならない ように1ミリでも低くなるように切断します. |
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バイクの取り付けるとこんな感じです. |
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グリップ部を切断した部分にキャリア固定用の メネジを作ります. 切断面の中心が肉厚の中心ではないので 肉厚が均等になる位置にケガキを入れています. 小さなことですが一つ一つにその妥当性を 考えるのは大切なことだと思います. |
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傾斜バイスを使い断面に対して垂直になるように 角度を調整します. 傾斜バイスも工業用の本物は数十万円くらい しますが,これは輸入品のホビー用なので 7000円もしない価格で売っています. 本物には敵いませんがホビーとしては十分に 使えると思います. こんなのが安く買えるなって便利な世の中に なったものです. |
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一気にあけずに小径ドリルから順に 大きくしていきます. |
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ネジのサイズはM8ですがネジ強度を 上げるためヘリサートを入れています. |
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骨組みとなる角パイプを置いて全体像の イメージを深めます. なお,使用するアルミはA6063の 25×25×2mmの角パイプです. 私が入手できる25角で一番厚みのある 角パイプになります. |
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アルミの棒材を旋盤で切削しブッシュ (カラー)を製作します. |
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溶接するため材料はアルミのA5056を 選択しています. |
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角パイプにブッシュ用の通し穴をあけます. |
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テールグリップに仮付けし確認します. 設計図を書いてから製作するのが難しい 作品なので,その都度仮組みして全体像を つかみながら,次の部品を製作して いきます. キットパーツを組み付けるのと異なり, こういったイメージ作業が一番難しいのでは ないかと思います. |
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外枠となる部分の製作です. 重心が後になるとフロント荷重が抜けて ステアリングが振られるので,座った際の 背中(お尻)とのクリアランスを保ちつつ, 出来るだけ前方になるように位置を決めます. ちなみに前方側の角パイプをこのまま溶接 してしまうとシートが外れなくなってしまうため 形状を検討します. なので現時点では置いているだけです. |
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赤い矢印の角パイプがテールグリップに 固定される部分です. 角度や寸法に狂いが無いように溶接定盤の 上に固定しTIGで仮付けしていきます. |
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シートが外れるようにするために前方側の パイプを形状を角度切りしてオフセット形状と なるように製作します. オフセット量は実際にシートの何度も 着脱させて無理のない寸法を探します. |
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前方側のパイプが上側にオフセットして いるためシートを外して隙間から抜き取る ことができます. 問題がなければ本溶接をします. |
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後から見たらこんな感じです. |
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剛性をあげるために補強を入れます. 補強の入れ方ですが,素人の私には 明確な知識がないため,キャリアの 気持ちになって入れる場所を決めています. 単純な平面の四角いキャリアなら四隅などに 短い補強をいれればいいですが,今回は シートの逃がしを考慮した形状なので 補強も変則な入れ方になっています. |
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後述しますが今回は脚と枠を分割構造で 製作します. これは前側の脚の受け部に使う部品です. 一体構造より丈夫に作る必要があるため 4mm厚のアングル材を使用しています. |
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前側の脚の固定部です. スイングアームの二本サスの受けの ような構造です. アングル材を使用したのは,アルミ板で 単純なプレートを作って溶接するより, 強度が出ると思ったためです. |
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後ろ側の脚は下からボルトで固定するため ネジ部にヘリサートを入れたブッシュ(カラー)を 入れて上と下の両面から溶接します. 脚と面当たりして固定させるため溶接後, ツライチ(面一)になるように表面を削って います.(写真は天地逆になっています) |
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表側からみたブッシュの溶接状態です. 出来るだけ平坦になるように溶加棒を 入れぎみで溶接し,表面にビートが 出なくても強度がでるように溶接します. |
次はタンデムステップと固定するための脚の部分の製作です.
長くなったので続きは「カワサキZZ-R1100D6のツーリング用キャリア製作のお話 後編」でどうぞ.
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