FRPでカウルをつくろう!!

   〜カローラ号(GPz1100)のカウル製作(第3章)〜


もらいモノのDVDナビのモニターをカウル内に収めたいと思った事からカウルを作り直すことを決めた我がカローラ号.
第1章(こっちですよ)第2章(こっちですよ) でようやくマスターモデルの出来上がりまでお話ししましたが,
今回は実際にFRPを使って製品を作るお話しです.多分完結できると思うのですが,出来なかったらゴメンなさいです.

毎度のことですが写真が多くてすみません.
(写真をなるべく多くして,分かりやすくしようと思ってのことなので勘弁してね)


これが新しいカローラ号(カワサキ空冷GPz1100ね)の
カウルのマスターモデル.


マスターモデルにFRP樹脂を貼り込み雌型を作るため,
離形処理を行いマスターモデルとFRP樹脂が貼り付かないように
します.

先ずは表面を研磨ペーパーやコンパウンドで磨いた後,
離形ワックスを車のワックス掛けと同じ要領で数回塗り込みます.
初めて使うマスターモデルの場合は念のため10回くらいかけた
方が
良いとされています.

私は写真のブルーワックス(アメリカ製かな?)を使っていますが
結構値段が高かったりします.
まあ,他社からも同様なモノが売られていますし,床用ワックスを
塗る人もいるので,いろいろ試してみてください.


次にPVA(水溶性離型材:ポリビニールアルコール)を塗ります.
塗った際にハジキが出るので初めての人はおやっ,と思うかも
しれませんがあまり気にしなくていいと思います.
ワックスが残っているとハジクと言う人もいますが,

しっかり拭き取ってもはじいてしまうと
             私は思うんですが・・・.


右が初めてカローラ号(GPz1100)のカウルを作ったときに
使ったモノ.左は今回購入したモノ.どちらも同じメーカー製だけど
粘度がかなり上がっていてハジキが出にくいかなって感じでした.


PVAを塗ったマスターモデル.

そういえば,PVAって台所の換気扇に塗って汚れたら剥がす
「換気扇パックリ」に似ています.
(っていうかそのままかなあ?)

ちなみにこれらは東急ハンズで売られてるモノと同じ商品です.
私は直接メーカーから購入しています.(安いんでね)


カウルなど3次元のモノは製品を作製した際に
分離しやすいように雌型を分割して作製します.

今回は4分割で製作します.先ずはヘッドライト周りに
分割リブを立てます.


分割リブに使用したグッズ.

右がこれまで使っていたモノ.ホームセンターで売っている
ゴムの帯で両面テープを貼って使用しています.

左の青いモノはFRPメーカーからでた新製品で試供品として
頂いたモノです.こちらは材質が硬質スポンジ?で両面テープが
既に付いています.

分割リブを立てるのって,みんなどうやってるのかなあって
思ってたけどみんな考える事っておなじなんですね.


黒色のゲルコートを刷毛塗りします.

塗装ガンを使った方が均一に塗れますが,刷毛塗りでも
大丈夫です.


FRPのポリエステル樹脂や,2液性のウレタン塗料などは,
主材と硬化剤を適当に混ぜると必ずといっていいほど
失敗します.

左がこれまで使っていた料理用のハカリ.
まあ,これでもいいんですが容器の重さが変わるたびに
ツマミを回してゼロを合わせるって
結構めんどくさいんですね.

で,デジタル式ハカリを買ったんですが,これがまた
使いやすいのなんのって.
これはいいです.安いしね(2000円程度)


雌型に使用した樹脂はノンパラフィンのポリエステル樹脂.


乾燥してもそのまま重ね貼りができるノンパラフィンタイプは
あとから追加作業する時もペーパー掛けしなくていいんで
通常はいつもこれを使っています.

ハカリには樹脂が着いて汚れないようにOPP袋
(事務用の透明袋)の中に入れて使っていますよ.

余談ですが,
OPP袋って「おっぺけ・ペー袋」って
               言うらしいです.


分割用のリブを立てた角や段差がある場合は,そのまま
積層マットを貼ってもマットの反力(スプリングバックと言います)で,
しばらくすると

浮き上がってきて気泡が入りよるんですねえ.

これがまた,むかつくんですよ!!


そんなところには初めにロービング糸を這わして段差や角を
なだらかにしておきます.


下手くそな絵ですが書いてみました.


ロービング糸は一束では細いので何束か束ねて使用します.

使いやすいように塩ビ板でドラムを作ってそれにロービング糸を
巻いておいて,作業する横に置いておきます.


マットのみを2枚(2プライ)貼り込んで作りました.
ただ,分割リブとヘッドライト開口部,エアーインテーク部は
強度を上げるために部分的に3枚(3プライ)貼り込んでいます.

だんだん体がかゆくなってきました.


ヘッドライト周りが出来たら次は底の部分の製作です.

左右を分割するように分割リブを立てます.

分割して製作していく順序は人それぞれだと思いますが
私はいつもこの順番で作業していきます.


製作するモノが大きかったり複雑な場合は,予めマットを
必要なだけ切り出して用意しておきます.

細い帯状のマットを余分に切っておくと何かと便利だったり
します.

かなり体がかゆいです.


ここでも周囲の角の部分にはロービング糸を這わして
おきます.

角がある箇所や段差部は薄くても強度がありますが,
平べったい所はペラペラで弱いのでマットの枚数を多めにして
おきます.

ここまで出来れば後はサイド部を張り込みます.

ちなみにサイド部はヘッドライト部と底の部分で分割されて
いるので分割リブを立てる必要はありません.




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